導入

 自然豊かな山荘へBBQを楽しみに来た三人の女子大生。ところが、ご多分に漏れず麓へと続く道は通行止め――クローズドサークルが出来上がり、彼女らは一晩この山荘に閉じ込められることとなる。

「あかん、コナ○やったら人が死ぬ展開や」

「言ってる場合か、『事件』ならもう起きてるよ」

「そうよ、大事件よ、いったいどうするの!」

 沈黙の一瞬に、セミの鳴く声がどこかむなしくこだまする。

 一人は天を仰ぎ、一人は力なく首を振り、一人は嵐のように叫んだ。

 山から下りられないってことは――と。そこで言葉を切り、そして、この世の終わりのような表情を浮かべこう続ける。

「――それじゃあいったい、どうやってタバコを買いに行くのよ!」

 そう――三人はもれなく、超のつく愛煙家なのであった。

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キャラクター紹介

七条 星乃(しちじょう ほしの)

 喫煙者。セブンスターとパーカーを愛する大学生。小柄。こだわりの強い性格で、普段着でもパジャマでもパーカーしか着ない。また、タバコもセブンスター以外の銘柄を口にしたことは一度もない。

平 和穂(たいら かずほ)

 喫煙者。ピースを愛し、ルーチンを大切にする大学生。関西弁。毎朝7時に起床する、朝食前に必ず2本のタバコを吸う、入浴後は飲食も喫煙も絶対にしない、など多くのルーチンを持つ。大雑把な性格だが、自分で決めたこれらのルーチンはしっかり守る。

矢豆原 希(やまめはら のぞみ)

 喫煙者。ショートホープを愛し、眠りの神に愛された大学生。厚化粧。一度眠りにつくと、顔を踏まれようとも目覚めない。ちなみに、ショートホープは10本/箱のタバコである(ふつうのタバコは20本/箱)。

システム

・プレイ人数:3人専用

・ゲームマスター不要

・プレイ時間:80分~100分

(内訳)シナリオ読み込み:15分

    議論時間    :60分 ※ただし、和穂役のPLが認める場合に限りさらに20分追加可

    エンディング  :5分

 

・通話しながら本サイトを閲覧する環境があれば、オンラインでもプレイ可能です。

・なお、本システムは自由に嘘をついて構いません。

 ただし、嘘ばかりついていると他人の証言と食い違い、信用されなくなってしまうかもしれません。

では、プレイするキャラクターを決定し、共通シナリオを読んでください。

(もう少しキャラのことを知ってから決めたい皆様は、共通シナリオを読んでからプレイするキャラクターを決めても構いません)

共通シナリオ

 三人にとっての大事件――明日の朝までタバコが買いに行けない――を話し合うべく、彼女らはキッチンに集まった。回る換気扇の下で始まる作戦会議。当然のように、三人ともが火のついたタバコを手にしている。

「だいたい和穂が悪いのよ」星乃がぷんすか怒りながら、ため息とともにタバコの煙を吐き出す。「あんたがBBQしたいとか言い出すから」

「まったくだ、わざわざ平日の講義休んで来たってのに」希は空になったタバコの箱を潰しながら、抑揚のない恨み節を口にする。

「あかんあかん、なに調子ええこと言うとんねん」タバコをくわえたまま、和穂は関西弁で器用に喋る。「希、あんた講義なんて普段からほとんど来えへんやんけ」

「今日は行こうと思ってたんだ」

「嘘つけ。あんたほんまに留年すんで」

「ああ、ほんともう最悪!」星乃が不貞腐れた声を挟む。「こうなった以上、いいわ、明日の朝まで部屋に鍵かけてやり過ごしてやるわ」

「おいそれ死亡フラグ」

「ベタなボケやめーや。ほいでな、言うとくけど、コナ○的な事件が起きるとしたら、被害者は星乃、間違いなくあんたやで」

「はあ? なんであたしが殺されなきゃなんないのよ!」

「この前の合コンのこと」タバコの箱をポケットに戻しながら、和穂は目を細める。「うちはまだ許してへんねんで」

「だから、なんのことよ」

「忘れたとは言わせへん」

「いや、わかんないって言ってるでしょ……なんかしたっけ?」

「――っ! そういう態度が腹立つねんな。あんた、うちの狙っとった男子と二次会の途中で一緒に帰っていったやんけ! 口ではうちに協力するとか言うとったくせに」

「なんだ、そんなこと? 合コンなんてそんなもんでしょ、騙される方が悪いのよ」

 

 涼しげな顔でそう言ったかと思うと、しかし次の瞬間には眉宇に力を込めて、星乃は希をジロリと睨んだ。

 

「ていうかね、そんな理由が通用するなら被害者は希、あんたかもよ」

 突然話題を振られた希が、怪訝そうに表情を動かす。

「あたしが彼氏と別れるべきか相談した時、あんた真剣な顔で『別れた方がいい』って断言したのよ。おかげであたしはあのクソみたいな彼氏と別れられたわ」

「善行じゃないか。友人を救ったんだ。むしろ褒めてもらいたいね」

「ええ、あんたが和穂と賭けをしていなかったらね。『一か月以内に星乃が彼氏と別れるかどうか』なんて賭けをね。そしてあたしは知ってるのよ、あんたが『一か月以内に別れる』方にベットしてたことも」

「なんだ、バレたのか。でも残念だったな」希が片方の目だけで笑う。「騙される方が悪い」

 

 そして、希は思い出したように和穂を凝視した。

 

「だいたい、動機だけで事件が起きるなら、和穂、お前も気をつけろよ」

「え、なんでや」

「先週の麻雀、お前イカサマしてたろ」

「あら、バレてもーたか」

「一万円も巻き上げやがって。よくもまあポンポンと新しいイカサマが思いつくもんだ」

「まあまあ、済んだことやし、ええやんけ」

「いいわけあるか」

「ほな、言わせてもらうわ」和穂がさも愉快そうに目を細めた。「騙される方が悪いんやで」

 

 こんな三人のことである――タバコを吸い終える頃に一つの結論に合意したが、もちろんこれも各々の思惑があってのことであった。

「……じゃあ確認するぞ。これから三人の残りのタバコを合わせて、三等分して分配する。自分の取り分が増えるか減るかは運次第、恨みっこなしだ。ただし、嘘やイカサマは厳禁、持っているタバコは全部出してもらう。いいな?」

 希の説明に、星乃と和穂が無言でうなずく。

 結果、集まったタバコは18本――星乃が8本、和穂が0本、希が10本――であった。

「……つまり、一人6本ずつの取り分。ちっ、和穂だけ得したわね」

「さっきのが最後の1本やってん、堪忍してや。山を出たら倍にして返したるさかい」

「へえ、いい心がけだな、忘れるなよ。――さて、それじゃあBBQを始めよう」

 

 しかし――えてして災難とは続くものである。BBQを終える頃、三人は激しい驟雨(注:にわか雨)に襲われた。しとどに濡れてキッチンに駆け込んでくる星乃と希。キッチンには、まだ2本のタバコが残されているが、二人はそれを忌々しげに眺めるばかり。――愚かにもこの二人、すでに取り分である6本のタバコをすべて吸い終えているのである。

 やがて、キッチンから脱衣所のドアが開くのが見えた。中から、和穂が現れる。キッチンへやって来た彼女は、残る二人とは違い、悠然とタバコを手に取り火をつけた。

「うへえ、パンツまでびしょ濡れや。なあ、前から思ってたんやけど、水も滴るいい女って元は下ネタなんかな」

 こんなふざけたことを言いながら、しかし彼女は恐るべき克己心を発揮し、事ここに至ってなお2本のタバコを手付かずで残していたのだ。そのうちの1本をくわえ、さも美味そうに紫煙をくゆらせている。

 当然、涎も垂らさんばかりにそれを眺める二人。

「……知らねえよ。別にいい女が不感症じゃないとは限らないだろ」と希。心底どうでもよさそうな口調である。

「……てか、和穂それ吸っちゃうんだ。明日の朝まで2本とっておくのかと思った」力なく尋ねる星乃。むろん和穂のルーチンを知っていての発言である。

「え、ああ」言われてはじめて気づいたみたいに、和穂は一瞬考えこんだ。「……まあ、こんな状況やしな、背に腹は代えられへんわ。明日の朝は1本で我慢したる。それより、どっちかはよシャワー浴びてきたらどうや、タオルとパジャマは全員分さっき脱衣所に運んどいたで」

「じゃあそうさせてもらうわ」そうは言うが、星乃はその場から動こうとしない。「もう少ししたらね」

「なんでや」

「せめてあんたの副流煙だけでも味わってから行くってことよ」

「あんたら……そのためにここおったんか」口吻こそ呆れているが、それは一種の外連である。なぜなら、和穂も自分が同じ立場なら同じことをする自覚があったからだ。

 そして、和穂はタバコを吸い終えると、すでに吸い殻の山ができている灰皿へ、たった今出来上がったばかりの吸い殻を新たに一つ追加した。なお、この灰皿には三人がこの山荘についてから吸ったすべてのタバコが捨てられている。

 やがてタバコの匂いが完全に消えてなくなると、三人は回る換気扇の音に追い立てられるように、キッチンを後にした。

 

 ――こうして、三人が共有した18本のタバコのうち17本はすでに灰となった。

また、この時点では間違いなく、キッチンに1本のタバコが残されている

 そして。

 翌朝は怒号とともに始まる。

 キッチンに集まる三人。そう、ご多分に漏れず事件は起きたのだ――貴重な貴重な例のモノが、消えてなくなるという事件が。

「誰や! うちのタバコ吸ったん!」

 大切にとっておいたタバコがなくなっていたのである。和穂の怒りはヒトシオだった。

 ――が、当然ここで素直に名乗り出るような犯人ではない。星乃も希も、口をそろえてこんなことを言う。

「あたしじゃないわよ。帰り道の運転ぜんぶを賭けてもいいわ」

「私もだ。犯人じゃないと、今日の晩飯代に誓おう」

……ええ度胸や、と和穂が大きくうなずく。「ほな、今からこの山荘を大捜索や! 必ず犯人の証拠を押さえたる! あんたら二人はここでおとなしくしとき、証拠を隠されたら困るさかいな!」

 タバコの恨みは、かくも恐ろしい。

「覚悟しとき! 帰り道の運転と晩飯の全おごり、きっちり落とし前付けてもろたるからな!」

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共通シナリオは以上となり、個人シナリオに続きます。

​各プレイヤーはそれぞれの担当するキャラクターを選択してください。

(まだプレイするキャラクターを決めていない皆様は、このタイミングで決定してください)

名前をクリックすると個人シナリオに移動します。

・喫煙者

・小柄な大学生

・セブンスターとパーカーを愛する

・こだわりが強くパーカーしか着ない

・セブンスター以外のタバコを

 口にしたことがない

・喫煙者

・関西弁の大学生

・ピースを愛する

・ルーチンを大切にする。

 -  毎朝7時に起床する

 -  朝食前に2本のタバコを吸う

 -  入浴後は飲食も喫煙をしない

・喫煙者

・厚化粧の大学生

・ショートホープと睡眠を愛する

・一度眠りにつくと顔を踏まれよう

 とも目覚めない

・ショートホープは10本/箱のタバコ

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